先週、福島の被災者に富山のコメを届ける取り組みについてお伝えしました。
浄土真宗の信者が多い真宗王国といわれる富山で、時を越えた信仰の絆が被災地への支援を生み出しています。
「皆さん寄っていってください。」
先週土曜日、福島県南相馬市のお寺で富山県産の新米が、被災者に配られていました。
この支援活動は、原発事故の影響で、米を生産することができなかった福島県相馬地域の被災者に安全でおいしい富山の米を届けようと、浄土真宗本願寺派高岡教区が企画したプロジェクトです。
県西部のお寺に呼びかけて集まったおよそ7トンの新米のうち、今回は2トンを先週金曜日に高岡から7時間かけて福島県相馬地域のお寺に運びました。
南相馬市常福寺廣橋住職「11月の明日から始まる報恩講に避難先から地元に残っているお寺に来られますので、そのときにご門徒さんに持っていってもらいます」
相馬地域は200年前の大飢饉の折に、富山から多数の農民が浄土真宗の僧侶と共に移住し、信仰を拠りどころに支えあってきた、歴史がある地域です。
今回の支援プロジェクトは過去の記憶になっていた信仰の絆を回復させる一面もありました。
南相馬市勝縁寺湯澤住職「200年を時を超えてね、真宗移民のふるさとである富山と移民の地である相馬というのは200年の時を超えて、太い絆でつながっているなと、改めて感じる」
翌日の土曜日、米を搬入した常福寺で、高岡教区の人々も参加し、浄土真宗の宗教行事、報恩講が営まれていました。
しかし、主催しているのはこのお寺ではなく、計画的非難区域になって、立ち入りが制限されている飯舘村の善仁寺住職、杉岡誠さんでした。
杉岡誠さん「飯舘の善仁寺が軒下で100マイクロを超すような高い線量の部分がありますので、人集めするようなことはできない」
3月11日の東日本大震災による原発事故の影響で、相馬地域にある浄土真宗本願寺派の寺院10箇所のうち、7箇所のお寺が避難生活を余儀なくされ、報恩講など大切な宗教行事ができなくなってしまいました。
先が見えない将来に杉岡住職は強い不安を感じています。
杉岡誠さん「辛いのはこれから、希望がなくなってゆくのもこれからなんです。どうなるんだろう、私たちはどうなるんだろう、という先が見えないのが怖いですね。だから、当初何が支援必要ですかと言われても、私は分かりませんとお答えしましたが、これから、お声かけというか、皆さんの暖かいお心というか、お言葉をこれからかけていただければ。」
信仰がつないだ被災地への支援、明日への希望が見えない今だからこそ、地域を越えてつながる、息の長い支援が必要です。
福島の善仁寺の住職で飯舘村の職員でもある杉岡誠さんが今の思いを語る講演会が今週、富山で開かれます。
25日は西本願寺高岡会館で、26日は城端別院善徳寺です。