まだまだけつがあおいごぼはん

東日本大震災で各地から続く被災地への支援、一方、現地では地域の人たちによる草の根の活動が被災した住民の暮らしを支えています。 

その中に、富山県出身の僧侶の男性がいました。 

岩手県釜石市で取材しました。 

大津波が襲い、壊滅的な被害を受けた岩手県釜石市、市役所の裏の小高い丘の上に浄土真宗のお寺宝樹寺があります。 

ここで働く野嶋諭さんは南砺市出身です。 

大学で仏教を学んだあと美術館の学芸員をつとめていましたが1年前、縁あって知人から寺で働く誘いを受け岩手に移り住みました。 

地震が発生した当時の様子をこう振り返ります。 

野嶋さん「逃げてる途中に津波が来るぞーって大きな声で叫んだら、ものすごい音で、ガーっと、ゴーって来て」「他の人も言ってましたけど映画見てるみたい。全然現実感が無いっていう、そういう感じでした」 

野嶋さんは、地震のあとしばらくしてから、続けていることあります。 

本堂で野嶋さん「ずいぶんこうお渡ししたんですけど今これぐらい支援物資が届いています」 

被災した街の人たちへの支援物資の配達です。 

物資は、お寺のネットワークを通じて野嶋さんのふるさと富山県南砺市の住民らでつくる会社から送られてきます。 

野嶋さん「今これ欲しいのにっていうそっちの要望の方がきっと切迫していると思うのでそれをきいた上で出来るだけ早くということで、お願いしています」 

用事がない日は出来るだけ多くの家々を回り、必要なモノを聞いて物資を届けています。 

野嶋「はい、これストッキング」家人「ストッキング私ねここ何年もはいたことない」野嶋「寒いから」家人「ありがとうございます」 

物資が十分に行き届かず電気やガスなどライフラインも寸断されている中、野嶋さんの活動は、避難所には入らず自分の家で暮らす人たちの生活と心を支えています。 

野嶋さん「寺だからと言うことではなく、僕がここに居て、できる事を出来るだけやりたいっていうそれだけでやってます」 

大地震から半月が経ち、寺には、徐々に避難していた門徒の人々も訪れるようになっています。 

門徒の女性「その前も、毎朝来てたわけだからね。うん」「自分の気持ちにいくらかでもね、安らげばいいかなぁっと思って」 

野嶋さん「1人では何にも出来ないんですけど、何かこう発信していくことで、あの~、これから復興に向けて、もう少し大きい目で、あと大きい繋がりで、あの~、何か自分でこう釜石のために、あの~出来ることがあれば、していきたいなと思っています。」 

お寺で再び始まった朝の鐘突き、大切な家族や家を失った被災者の心には、先が見えない大きな不安があります。 

しかし、野嶋さんをはじめ地域の人たち自身による活動が、お互いの暮らしを支え、その絆は、いつの日か必ず訪れると信じる住民の「復興」へ向けた大きな力となっています。 

2011 年 04 月 05 日 16:32 現在