01年5月、熊本地裁がハンセン病回復者に対する国の隔離政策の過ちを認めたハンセン病訴訟の勝訴9周年を記念したシンポジウム「今こそ考えようハンセン病--隔離の負の遺産を保存・継承する」が18日午後6時半から、富山市大手町の市民プラザで開かれる。判決から9年が過ぎ、判決の風化が心配される中、失われつつある当時の施設や跡地などを保存することで、ハンセン病問題への理解を深めることを目指す。 富山県出身者も暮らす群馬県草津町の国立療養所「栗生楽泉園」では1938年、強制隔離に抵抗する患者らを監禁する重監房が作られ、92人以上が死亡した。また熊本県合志市にはハンセン病患者の受刑者だけを収容した刑務所もあった。現在はいずれも建物はないものの、回復者や支援者から再建や保存を求める声が上がっているという。 シンポジウムでは、草津町で保存運動をしている宮坂道夫・新潟大准教授(生命倫理学)と、同園入所者で自治会長の藤田三四郎さんが、建築物や跡地保存の意義などを語る。 主催する「ハンセン病問題ふるさとネットワーク富山」代表の藤野豊・富山国際大准教授は9日、県庁で記者会見し「大学生は既にこの判決を知らず、最近はハンセン病について誤った認識に基づく記事が雑誌などにも出るようになった。判決に逆行する流れを何としても阻止したい」と話している。参加費500円、問い合わせは同ネットワーク事務局の真宗大谷派高岡教務所(0766・22・0464)。【青山郁子】◇風化させず、理解深める